公演情報 Concert Information
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伝統芸能
人間国宝の競演「友枝昭世と山本東次郎の至芸」
5月3日(木・祝)開演14:00(開場13:30)
毎年大好評を博している二人の人間国宝による豪華競演
今年も夢の競演が実現。公演前に歌人・馬場あき子さんによる丁寧な解説があり、普段から能に親しまれている方、初めてご覧になる方のどちらにも好評をいただいています。公演後の出演者による、普段なかなか聞くことのできないアフタートークもお楽しみください。
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- 出演
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解説:馬場あき子
狂言「通円」シテ:山本東次郎
能「巴」シテ:友枝昭世
アフタートーク:馬場あき子、山本東次郎、友枝昭世
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- 会場
- 麻生市民館 大ホール
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- チケット料金
- 全席指定
SS席6,000円、S席5,000円
※未就学児の入場不可
公演の見どころ聴きどころ
- 狂言「通円」 あらすじ
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旅の僧が宇治橋のたもとに着き、見れば茶屋に茶が手向けられています。所の者に訳を尋ねると、昔、通円という茶屋の亭主がおり、大勢の客に茶を点ててついには点て死にしたと言います。それを聞いた僧がねんごろに弔っているところに通円の亡霊が現れます。
そして宇治橋の供養の折、参詣の人々が300人も押し寄せたので、奮闘し茶を点てすぎついには命を落としたと仕方話をします。
宇治橋での戦いで平家軍300人と戦ったという能「頼政」のパロディとなっています。
- 能「巴」 あらすじ
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木曾の僧(ワキ)が都へ向かう途中、琵琶湖畔の粟津の原で一人の女(前シテ)と出会います。女は松の木陰の社に参り涙を流しているので、不思議に思った僧は理由を尋ねます。女は神社の前で涙を流すことは不思議ではないと言い、ここは僧と故郷を同じくする木曾義仲が祀られているところであるから、その霊を慰めてくれるように頼むと、夕暮の草の陰へ消えていきます。<中入り>僧は参詣に来た里の男(アイ)に義仲の最期のことや巴御前とのことを聞かされます。
夜になり僧が亡き人の跡を弔っていると、先程の女が武者姿で再び現れ、自分は巴の霊(後シテ)であることを知らせ、主君の義仲と共に最期を遂げられなかったことが心残りであると訴えます。そして巴は合戦の様と義仲の最期を語り、自害した義仲の形見をもって涙ながらに木曾へ逃れたのだと述べ回向を願って消え失せます。
出演者プロフィール
- 友枝昭世(ともえだ あきよ):能楽師喜多流シテ方
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1940年3月24日生まれ。肥後熊本、加藤家・細川家のお抱え能役者の本座・友枝家に友枝喜久夫の長男として、東京に生まれる。
1946年/能楽シテ方喜多流十五世宗家喜多実氏に師事
1978年/第28回芸術選奨文部大臣新人賞受賞
1994年/第16回観世寿夫記念法政大学能楽賞受賞
1995年/第45回芸術選奨文部大臣賞受賞
1996年/「友枝会」(江戸幕府崩壊後、曾祖父友枝三郎のもと熊本にて発足)を父喜久夫没後継承
2000年/春の紫綬褒章受章
2003年/日本芸術院賞受賞
2004年/伝統文化ポーラ賞大賞受賞
2008年/重要無形文化財各個指定(人間国宝)認定
2011年/日本芸術院会員に就任
友枝昭世
http://www.tomoeda-akiyo.com/ennou/index13.html
- 山本東次郎(やまもと とうじろう):能楽師 大蔵流 狂言方
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1937年5月5日生まれ。山本東次郎家四世。三世東次郎の長男。山本会を主宰。
1964年/芸術祭奨励賞受賞
1992年/芸術選奨文部大臣賞受賞
1994年/第16回観世寿夫記念法政大学能楽賞受賞
1998年/紫綬褒章受章
2001年/エクソンモービル音楽賞(邦楽部門)受賞
2007年/日本芸術院賞受賞
2012年/重要無形文化財各個指定(人間国宝)認定
2017年/日本芸術院会員に就任
一般財団法人杉並能楽堂理事長。
著書:「狂言のすすめ」、「狂言のことだま」、「山本東次郎家 狂言の面」(玉川大学出版部)、「狂言 山本東次郎」(共著)(新人物往来社)、「中高生のための狂言入門」(共著)(平凡社)
山本東次郎
http://www.kyogenyamamoto.com/
- 馬場あき子(ばば あきこ):歌人
- 日本を代表する歌人、文芸評論家。短歌結社「かりん」主宰。古典や能に対する造詣も深く、喜多実に入門。新作能の制作も行い、「影媛」(国立能楽堂委嘱)は大好評を博した。日本芸術院会員、朝日歌壇選者ほか。「馬場あき子全集」全13巻ほか歌集や著書多数。川崎市在住。
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狂言「通円」山本東次郎
撮影:神田佳明 -
能「巴」友枝昭世
撮影:あびこ写真店
- 山本東次郎
- 友枝昭世
- 馬場あき子