- 出演
- 友枝昭世(シテ方喜多流・人間国宝)
山本東次郎(狂言方大蔵流・人間国宝)
馬場あき子(歌人) 他 - 会場
- 川崎市麻生市民館ホール
- 全席指定
- 5,000円
【公演内容】
能「花月」シテ:友枝昭世 間狂言:山本則俊
狂言「文相撲」シテ(大名):山本東次郎
アド(太郎冠者):山本則秀
アド(新参者):山本則重
解説:馬場あき子
【能「花月」(かげつ)】
九州筑紫の国、彦山の麓に住む人(ワキ)が、自分の七歳の息子が行方不明になったことをきっかけに出家し、諸国修行の旅に出ます。春の都に着いた僧は、清水寺にお参りします。
僧はそこで、清水寺の門前の人(アイ)に会い、何か面白いものはないかと問いかけます。門前の人は、花月という少年が面白い曲舞などをすると紹介し、花月(シテ)を呼び出し、一緒に小歌を謡います。その後花月は、桜を踏み散らす鶯を懲らしめるため、弓を射ようとしますが、仏教の殺生戒に従い、思いとどまります。さらに、門前の人の勧めを受けて花月は、清水寺の由来にまつわる曲舞を舞います。
花月をずっと見ていた僧は、自分の行方不明になった息子だと確信し、名乗りを上げます。喜びの父子対面を経て、花月は鞨鼓(かっこ:腰につける小さい両面太鼓)を打って舞い、七歳で天狗にさらわれてからの旅路を振り返る舞を見せた後、父の僧と一緒に仏道の修行に出ます。
【狂言「文相撲」(ふずもう)】
大名が新参者を雇うことになりました。太郎冠者が連れてきた男は相撲が得意ときいて、大名自ら相撲の相手をします。取り組んだ途端、大名は目がくらくらして負けてしまいます。二度目は大名が相撲の秘伝書を見て対策を練り、みごと勝ちます。さて三度目は……。
取り組みの場面になってから、慌てて虎の巻を見て、一夜漬けもいいところですがこんな姿もあちこちに見られるようで、狂言の人間描写の潔さに感心させられます。